ある女性愛好家からの質問が届いたので参考までに一読願いたい。
私のメイルでの回答とメガパパこと西野君の訓練士としての長年の蓄積した知識をも参考にお聞きしたので参考にしてほしい。
最初に私の質問者に対する回答をここに掲載する。
写真はStone
>〇〇君もいっぱしの大人になりましたね。その現象は、飼主と〇〇君の覇権争いの一つです。結論からいうと力関係で彼の方が上になった証拠です。これまでの主従関係があいまいだったということです。1匹飼いですとどうしても可愛さが先に立ち、叱る時に犬が「ごめんなさい。」というしぐさをするまで徹底して怒らない傾向にあります。小型犬の場合と違い大型犬の場合人間の力以上のパワーを突然発揮しますので飼主に対する自己主張を放任して育てますと自我に目覚めた後に必ずこのような現象が生じる場合もあります。
飼主に対して唸り声をあげた時に、大声を出し「駄目」と言ってマズルを思い切り叩き犬が後ずさり或いは逃げ出すほど叩いて矯正してあげてください。
次に長文ですが、元大阪府警訓練士でありアメリカで1年間訓練の勉強をされたという西野君のご意見です。原文のままですので何か質問があったら直接彼にお伺いください。
http://nishino.kingswoods.net/blog/
>あまりにも情報が少なく、一部分は推測となることをお許し下さい。
先ず、飼主に対して唸り声を出すということがポイントです。
生後間もない子犬が唸り声を出して噛み付くのは何故かということを先ず考えてみて下さい
一言で言うと、人間社会でのルール・犬と人間の上下関係が理解出来ていないのも一つの要因です。
本題のワンちゃんが3歳になって飼主に楯突くというのは、笑い事でなく、深刻な問題で解決には時間が掛かります。
日常生活の情報が無いので何とも言えませんが、女性の方が一人で育てているということは聞きました。
又、飼主に唸る行為は初めてのことなのでしょうか。
。
人間に例えて、幾つかのポイントを出します。
■貴方が勤めていたとして、上司が居たとします。幾ら嫌な上司でも会社の中ではルールがあって従わないと駄目です。
良い上司なら多少の事は我慢して付いて行くとは思います。
でも、あまりにも限度を超した信頼関係が崩れると貴方は最終的に会社を辞めるか文句を言いませんか。
ポイントは、ワンちゃんが貴方を信頼しているか。
頼りある飼主と見られているか。
■我が子を、他人とは違う環境でほしいものは何でも与えて、常にお節介のように甘えさせていた。
結果、親子関係は友達感覚のようになり、世間で言う「親子としての信頼関係」が崩れ、上下関係がなくなっている。
家庭内暴力など、子供が親を殺す時代になったように子は親として見なくなっています。
ポイントは、「可愛がる」「親としての責任」「育てる」などの意味の吐き違いをし、「我慢する」ということが制御できなくなった。
以上のように、二つのポイントである、「信頼関係」「甘えさせ過ぎた」
などが原因かと思います。
それと、怒る時は絶対に中途半端であってもいけません。
飼主の中には、小さい声で「○○ちゃん、駄目だよ。」と優しく言う方が居ますが、犬には通じていません。
私が昔、ブログにて「犬は飼うもの」「必要な時意外は構うな。無視しろ。」と書きました。
つまり、ご飯と散歩以外は犬には一切構うなということです。
「犬は飼うもの」というのは、大きな意味があります。
決して、「可愛がるもの」ではなく、「育てる」ということです。
「育てる」ということは、犬の知識を持ち、適切な運動と健康管理などで
あり、「遊んであげる」というのは「学ぶ」ということです。
人間の子供が学校に行って、友達と遊ぶことによって上下関係を覚え、知識を得、学んでいくのです。
写真はDうck とQuaker
チョークのことですが、正直言って素人の方は使いこなせないでしょう。
皆さん、勘違いされていますが、チョークは躾の道具ではありません。
チョークとは犬との会話の道具であって、プロの方は微妙にコントロールしながら首に命令の信号を与えているのです。
慣れない人がラジコンをうまくコントロール出来ないように、チョークの使い方も知識が必要です。
このチョークの使い方で犬が混乱して暴走するというケースも決して大
げさではありません。
ここまで書くとわかってきたとは思いますが、犬は人間が制御しなくてはなりません。
その為には、飼主が制御出来る知識をもってほしいものです。
間違っても、普段の散歩にチョークは止めてほしいですね。
散歩と訓練は一緒にしては駄目ということです。
散歩は運動、訓練は犬をコントロールする勉強と位置付けると良いでしょう。
さて、今更ながらどうしたら良いかと言う問題ですが、貴方が夫婦喧嘩
した時、暫くは離れるというか無視しますよね。
普段、犬に甘えさせていると思うならば、少し間を空け、散歩と食事の
世話以外は構わないことです。
犬は常に貴方の反応を見て、目を見ています。
不愉快な状況を犬に感じさせることです。
残念ながら、素人の方には更生が非常に難しく、その方法が一番簡単だと思います。
家の中で放し飼いをしているのかは存じていませんが、ケージで育てているのでしたらベストなんですが・・・。
散歩の時に、どのようなスタイルで行っているのかはわかりませんが、
紐は出来るだけ短く持って、貴方の側にギリギリ付けて行って下さい。
それだけでも、貴方の目を気にするようになり、上下関係も養えます。
写真は兵庫県の福岡君のあいけんBety
最後に、犬の歴史を振り返ってほしいと思います。
犬は人間を助けてきたことです。
又、私は犬ぞりを長くやっていて、多くの現場も見てきました。
レース直前まで、ギリギリのスペースに閉じ込められ、中で粗相をしようも関係無しでストレスを溜めさせます。
檻から出たら、興奮して、出たら走らせて貰えるんだと言う犬の本能を利用したものです。
決して、躾をしたからレースで活躍できると言うものではありません。
普段も散歩は一切せず、出して貰ったら走れる、つまり犬の単細胞というか、犬の学習力を利用しているとも言われます。
犬を知らない動物愛護団体はレース場で文句を言っていますが、犬を躾けるのは決して苛めているのでなく、制御するのは人間だと理解し
てほしいと思います。
長くなりましたが、もう少し、情報を頂ければ適切なアドバイス方法が見つかると思います。
西野 英樹